2018-10-03

【ノンフィクション小説】えりの場合(3/4)

えりが私に初めて付いてくれた日以来、えりの店には2回ほど顔を出した。

仕事が忙しくなったこともあり、それからは2ヶ月間ほどパッタリとえりには会いに行かなかった。

最速ラポール構築メソッド」に沿ったいつもの行動パターンである。

そして、少し仕事が早く片付いた夜、ふらっとえりの店に顔を出した。

 

事前に連絡を入れておいたが、店に入るや否や、店のボーイとともに1人の女性が私の前に現れた。

小柄で、目が大きくて、巻き髪にネイルの女性。

そう、えりだ。

「え~!久しぶり~!」

案の定、えりのテンションは高い。

「少し痩せたか?」

「逆、逆、少し太ったよ~」

お決まりのやり取りの後、おもむろに席に着き、自然と2人の会話は盛り上がっていった。

まるで以前からの知り合いかのようにだ。(おそらく)

 

彼女のテンションを上げた要因は、もちろん、久しぶりに来た客に指名されたということもあるだろうが、それよりも、私が彼女にとって「知っている顔」の人間というのが大きいように思う。

やはり、人間は「知っている顔」を見ると安心感を抱くのだろう。

 

えりの店を出た後、ほどなくして彼女から連絡(LINE)が入った。

内容は「今日は来てくれてありがとう」的なお礼の連絡だったと思う。

 

もう少し彼女とのラポール構築に時間を掛けるべきかどうか迷ったが、私はこう返信した。

「来週あたり、どこかゴハンでも行こう。」と。

 

返事はOKだった。

 

ノンフィクション小説 えりの場合 全4回

   

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